よくあるご質問(Q&A)

ホウキモロコシの新芽

江戸箒(ホウキモロコシのほうき)とシュロ箒の違いを教えて下さい。

江戸箒はイネ科の「ホウキモロコシ」という「草」を編み上げた箒、シュロ箒は「棕櫚」という木の「樹皮」をまとめて組み合わせた箒・・・と「原材料」の違いがございます。

江戸箒は「ホウキモロコシ」という草がもつ「しなり・コシ」を活かし、その素材の「アタック感・バネ感」によって、ササッと掃きだす使用感が味わえます。お座敷は勿論、フローリングを傷つけることもございませんし、ホウキモロコシの「しなり・コシ」の特性ゆえに「絨毯・カーペット」といった、抵抗の強い「敷物関係」でも、十分効力を発揮致します。 
  
一方、シュロ箒は「柔らかさ」を味わう、「モップ」のような使用感の箒です。力を入れず穂先を静かに床にあてたまま、スーっと床をなでるようにお使い頂く箒です。その「柔らかさ」ゆえに「絨毯・カーペット」には不向きですが、フローリングのような摩擦・抵抗の少ない、フラットな場所にたまる埃・ゴミをあまり舞い上げることなく、やさしく掃き寄せることができます。

江戸箒とシュロ箒、それぞれの特徴・オススメをもう少し詳しく。

江戸箒は「軽く」・「コシ」がありますから、お座敷・フローリング・絨毯・カーペットといった現在の室内環境において、オールラウンドにお使い頂けます。「軽さ」ゆえに億劫にならず・取り出し易く、汚れが目についた時、すぐに対処できる利点がございます。職人による素材の丁寧な選別により、「柔らかさ・コシ」に秀でていますから、「掃きだし」がよく効き、「掃きグセ」が起きにくく、穂先の良好な状態を長く保つことが出来ます。

オールラウンドにお使い頂け、シュロ箒と違い穂先から「粉」が出ませんから、箒に慣れていない方・箒を取り入れてみようと思ってらっしゃる方・今お使いのメインの掃除道具があり、併用道具として箒を考えてらっしゃる方、つまり「箒初心者」の方には「江戸箒(ホウキモロコシの箒)」をオススメしています。

また、ホウキモロコシは植物性繊維ですから、摩擦による静電気で埃・ゴミが穂先に纏わりつくことがございません。ペット・動物を飼ってらっしゃる方で、お召し物や室内(特に絨毯・カーペット)に毛がちらばってしまう等々、ペットの毛の処理に悩まされている方にもご好評を頂いております。

一方、シュロ箒は素材の持つ耐久性による「使用期間」の長さが挙げられます。10年単位でお使い頂ける道具です(20年以上使っている方もおられます)。

シュロは「アク」の強い素材で、使用期間も長きに渡るため、長年お使い頂くことで、特にフローリングへの「ツヤだし」といった「経年変化(エイジング)」を楽しめます(ただしワックスがけのように掃けば掃くほどツヤツヤになる訳ではありません)。柔らかく、静かに掃き寄せる箒ですから、ゴミ・埃の舞い上がりも少なく、「床(フローリング)」との相性の良さに特徴がございます。

ただシュロはその樹皮の中に大量の「粉」を含んでおります。使用開始から半年~1年ほどかけて、茶色い粉がパラパラと穂先から落ちてきます。フローリングでしたら、粉とゴミ・埃を一緒に掃き寄せれば、さほどストレスは感じませんが、お座敷でのご利用をお考えの方は、「粉」が出なくなったのを見極めてからお使い頂くのが無難です。また、「粉」と素材の「柔らかさ」の関係で「絨毯・カーペット」でのご利用は不向きです。

シュロはフローリングをメインにお考えの方、「シュロ箒」という道具と長くじっくり付き合い、使い込んでいくことをお考えの方にオススメの箒です。

どのくらいの使用期間ですか。また、メンテナンスの方法を教えて下さい。

使う場所・使い方・頻度にもよりますが、「江戸箒」の場合、お買い上げ頂いてから4~5年ほどで、若干穂先に「掃きグセ」がついたり、また穂先が摩耗し「ちびて」きてまいります。「掃きグセ」がついて(穂先が薙刀状になって)きましたら、霧吹きなどで穂先に水分をたっぷりと補給してください。草の繊維に十分水分が行き渡りますと、草が柔らかくなってきます。「掃きグセ」がついた場所に、寝ぐせを直す要領で手や紐といったもので力を加え、クセを整えて頂ければ「大体」カタチは戻ります(完全に復元する訳ではございません)。

穂先の摩耗により穂先がやせ細り、掃きゴコチ(コシ)に「物足りなさ」を感じるように 
なりましたら、穂先を切り揃えて下さい。前髪をパチパチと切り揃える要領で結構です(ご家庭用のハサミで結構です)。クセを整え、穂先が摩耗したら切り揃え・・・を繰り返し、 
7~8年ほどで、穂先の長さが大体「3分の2」から「半分」くらいになります。その状態になりますと、玄関掃き・外掃きでも十分に使えるようになってきます。穂先を切り揃え、室内用から玄関用・外掃き用に・・・と使い込んで頂くのを考慮すれば、「10年」は箒としてお役に適うものと考えております。

限界まで使い込み・使い切り、もう「お役御免」となりましたら、BBQの燃焼材等で燃やすことも可能です(竹は油を含んでおり、よく燃えます)。自然素材ですから役割を終えても「ゴミ」になりませんし、最後は「熱」になることで、完全に環境の中へと回帰してゆく、環境負荷のほとんどない道具でもございます。

シュロ箒は優しく静かに掃き寄せお使い頂く箒ですから、さほど摩耗したり、ちびたりすることは少ない箒です。お買い上げ頂いた状態から変化していくことは、「江戸箒」に比べれば、あまりございません。

シュロは繊維が細かいため、綿ボコリ・細かいゴミが穂先にまとわりつく場合がございます。たまに手で埃を払って頂き、軽く濡れた雑巾で穂先を吹いてあげると、スッキリとした穂先を維持できます。棕櫚皮は使い込んでいくと、柔らかく・優しい使用感がでて参ります。水にも大変強い素材ですから、クセがつき、汚れが余り目につくようでしたら、水で洗い流すことも可能です。シュロは渇きも早い素材です。水気をきって、吊るして頂ければ十分です。

「江戸箒」「シュロ箒」ともに、使わない時は「吊るして」保管してください。 
立てかけて「置きっぱなし」にしていると、穂先に余計な負荷・力が加わり「クセ」がついてしまいます。未使用時には「吊るして」頂ければ、基本的な「日々のメンテナンス」はほとんど必要のない道具です。

長柄と短柄、どちらが使いやすいでしょうか。

短柄は片手で若干腰を屈めて使う箒です。長時間・広い場所を掃くには、その姿勢ゆえ疲れてきます。ただし短柄はコンパクトで、取り廻しが効き、1部屋~3部屋ほどのスペースや、気になる場所を・気になった時にお使い頂くには重宝するサイズです。まずは生活の中に「箒を取り入れてみよう」とお考えの方には、コンパクトで収納もやり易い「短柄」をオススメしております。

長柄は両手で腰を屈めずにお使い頂く箒です。腰や膝の負担も少なく、原料草の穂丈も長く・量もたっぷりとつけています。4~5部屋以上のスペース、もしくは一軒家を箒メインで賄う頻度でのご利用をお考えでしたら、「長柄」をオススメ致します。

ちなみに集めたゴミ・埃を最後「ちりとり(弊社扱いの『はりみ』がオススメです)」に掻き入れ、ゴミ箱に捨てる場合を考慮した場合、長柄の穂幅・全体のボリュームを考えると長柄箒から「ちりとり(はりみ)」に直接掻き入れるのは、ちょっと大変です。

長柄をお使いで、かつ「ちりとり(はりみ)」にゴミ・埃を掻き入れることをお考えの方は、最後の掃除仕上げ用として、「小箒」と「ちりとり(はりみ)」の組み合わせを考慮して頂くと、ストレスが少なく、最後まで効率よく掃除を済ますことができます(短柄でしたら問題はございません)。 
最近は箒での掃除の経験値が少なく、「生活の中にとりいれてみよう」とお考えの方が多く見受けられます。まずは「短柄」で馴染んで頂き、ご満足頂き、その後ご予算が適うようでしたら長柄を購入する方もいらっしゃいます。また長柄・短柄、最終的には小箒・ちりとり(はりみ)を、それぞれの状況に応じて、それぞれの箒を併用して使い分けているお客様が多い傾向が見受けられます。

ホコリの舞い上がりが気になります。

箒での掃除は箒を「振って」「掃きだし」「掃き寄せて」お使い頂く行為といえます。「江戸箒」に比べ、舞い上がりの少ない「シュロ箒」においても、軽い綿埃や羽毛・ペットの毛に関しては、はどうしても「舞い上がり」を防ぐことはできません。

基本、掃除は「掃く」行為と「拭く」行為で完結するものです。舞い上がってしまう埃を無理に掃き寄せようとせず、いったん「掃き掃除」が落ち着いてから、雑巾・ティッシュ等で「拭き掃除」を行い、埃・ゴミを取り切ってしまうことをオススメ致します。

ちなみに箒での掃除は、吸引型掃除機よりも、室内の空気を「攪拌」することが遥かに少なく済むと言われています。お座敷・床、敷物関係を傷めることもなく、良好な状態を保ち、騒音もほとんどなく、時間を選ばず・周囲に気兼ねすることなく、お使い頂ける道具です。

そばで誰かが読書やTVをみていたり、赤ちゃんが寝ている状況等でも、それらを「疎外」・「邪魔」することなくお使い頂けます。

現代社会は家事をする時間がバラバラで、マンション住まいの方が多い、「騒音」に敏感なライフスタイルです。「箒」といういわば「アナログ」な道具が、かえってこの現代社会が抱える「騒音・環境・健康・介護」といった様々なニーズにお応えできる、「ポテンシャル・可能性」を十分兼ね備えている掃除道具である・・・と考えております(お客様からもそうした声を頂戴しています)。